VAIOストア別注「ひらくバッグ」スペシャル対談

「ペン立て」みたいなスタイルで話題の「ひらくPCバッグ」。必要なものに素早くアクセスでき、VAIOストアでも大人気アイテムだ。
今回はバックの開発者、プロジェクト「SUPER CONSUMER」いしたにまさき氏をお招きして、開発秘話とその魅力に迫った。

左:いしたにまさき(プロジェクト「SUPER CONSUMER」) 右:伊藤 好文(VAIO株式会社)

初回納品分は、わずか23時間で完売!? VAIO ×「ひらくPCバッグ」コラボはこうして生まれた!

伊藤:もともと(2015年にアスキーストアで発売した「ひらくPCバッグ VAIOコラボモデル」)は、週刊アスキー(以降「週アス」)さんからコラボをやらないかと声をかけられたのが始まりでした。あれから2年経ちますね。

いしたに:もう2年経つんですね。実は「ひらくPCバッグ」を一般の媒体で最初に取り上げてくれたのが週アスだったんです。週アスさんとは、いつか一緒にコラボできるといいうなという話がありました。そこからまさに週アスのイメージカラーである黒と赤の最初のコラボバッグ企画が産まれました。初回納品分は、即売23時間足らずで完売だったようです。その後、しばらくしてVAIOと週アスと一緒にやらないかと、あの企画が生まれました。

伊藤:メーカーとしては、最初とおっしゃっていましたよね。

いしたに:そうですね。PCメーカーと一緒にコラボするというのは、ひとつの目標でした。このご時世、時代はスマホと言っているのに、あえてPCバッグと真正面からいうのは(笑)。

伊藤:でも、やっぱりプライベートも仕事でも、このバックはPCを持ち歩くのには本当に最適ですね。

いしたに:最近、カバンの中身の取材を受けることが続いていて、気づいたのですが、2017年にもなって、まさか自分がWindows PCとマウスを持って歩いているなんて、以前はまったく想像していませんでした。色々試したけれど、結局、効率性を求めたら、そこに戻ってきてしまったんです。結局、PCは消えなかったんですよね。

伊藤:その途中、過渡期はタブレットなど複数持っていたんですか?スマホ、タブレット、PCを持ってというイメージですか?

いしたに:タブレットは、自分にとっては結局家で見るものになっちゃったんです。電子書籍や漫画が、とにかく物理的な場所を取らないし、寝転がりながらも読める。そうするとタブレットが最強で。外で使わないからむしろSIMは要らない。SIMが必要なのはPCだったというオチですね。今はLTE搭載のVAIO S11を使っているんですが、大きな不満もなくてすごく重宝しています。

伊藤:PCにこそLTEの常時接続が必要と考えてVAIO S11を作ったので、それはありがたいご意見です。

いしたに:そういえば、そもそもなぜ「ひらくPCバッグ」を選んでいただいたのかという話をガッチリ聞いたことはありませんでしたね。

伊藤:アスキーさんからのご提案もありましたが、私どもとしても、その時点でもかなり定評ありましたし、PCを持ち歩く者として、実際に顧客目線で非常によく考えてつくられているモノと一緒にコラボしたいというのはありました。僕自身前回のVAIOコラボモデルを自腹で買って、使い込むほどによく考えられているな、と感じる部分があったので、お話いただいてすぐ検討を始めたんです。

オーナーが気付かないほどの機能満載!ひらくPCバッグ、そのこだわりに迫る

伊藤:一番気に入っているのは、三角形でPCを入れても倒れこまないというところです。そして本当に感心させられるのは、このあたりの造形です。ファスナーの部分のアール(角の部分のまるみ)の大きさ。

※写真は伊藤私物のひらくPCバッグ(前回の週刊アスキー×VAIOコラボモデル)。今回販売するVAIOストア別注モデルとはデザインが異なります

いしたに:それが唯一初代モデル*から変更した部分なんです。アールがきれいでなかったせいで、少し開けにくくなっていました。

伊藤:バッグを押さえたりしなくてもファスナーの開閉がしやすいですし、これは非常に考えられていますね。

*ひらくPCバッグは2012年に初代モデルが発売され、2013年に改良を施した2代目(現行モデル)にモデルチェンジした。

いしたに:付属の仕切りは意外と、使われていないですか?

伊藤:僕はカメラとかは、普段の仕事では持ち歩かないのですが、水筒は必ず持ち歩きます。重心が低いものは寝かして入れているので、実は仕切りはクッション替わりにしています。

いしたに:そういうお客様も多いんです。結局、われわれも仕切りをどう使うかを自分たちで決めるのをやめたんです。みんな持ち歩くものも違うので、使う人に自分で決めてもらうのがいいでしょう、と。

伊藤:このマチの広さもいいですね。(私は普段弁当を入れたりはしないのですが、)PCを入れても収容力に余裕がありますね。 僕は、筆記具のペンとVAIOのスタイラスペンと折り畳み傘を常に持ち歩いているんですが、このバッグならぴったり入ります。 蓋の裏側が半分メッシュポケットになっているのも便利。プレゼン用のマウスとか、打ち合わせ先とかですぐに取り出せる。メッシュで中身が見える部分と見えない部分 があるのは、よく考えられていますね。

いしたに:どうしても、ガバッと開いて見えてしまうので、それこそパスポートとか見せたくないものも収納できるように工夫した部分ですね。あと、気付かれないことが多いのですが、実はバッグの外側と内側で使っているファスナーの種類が違うんです。

伊藤:種類が違うんですか?

いしたに:はい。内側のファスナーが中に入れたPCなどに当たって傷がつかないようにしています。内側のファスナーは小さくして、引き手に可能な限り樹脂を使っています。さらにブラブラしないようなロック機構つきのものにしています。まあ、そんなことは気づかれないくらい快適に使われていることが一番いいと思っていますが(笑)。

伊藤:なるほど。ファスナーの引き手にカバーを被せているだけではないんですね。そういうところは試作して気が付くんですか?

いしたに:そうですね。それはテストしないと見えてこない。試作して“カチカチ”と中で音がして気が付きます。『あっ』と。

いしたに:バッグインバッグとか、カメラ用のポーチって僕がこの世で嫌いなものの上位に入るんですよ(笑)。カバンがイケていないからそんなものが必要なんでしょと。

伊藤:必要なく、そのまま入れられると、荷物の総重量が変わりますね。

いしたに:バッグインバッグがあると出し入れに時間がかかりますよね。開けて出して、さらに出して…。その効果はわかりますが、パッとだしてパッと使いたいからこれを持っているわけですよね。

伊藤:思想として、すべてアクセスの速さを追及しているわけですね。

いしたに:フロントに穴が開いているのは、3つ理由があります。1つは、顔になる。2つめは缶バッジ。世の中で一番流通している3pの安全ピンのピッチ幅に合わせて設計しています。 3つ目は僕は、ウェアラブル端末の基地になるのはカバンだと思っているということです。 みんな毎日はカバンを替えないですし。穴をつけていけば、そこからセンサーやケーブルが通せるはずだと。将来的には何がくるかわからないですが。

伊藤:なるほど。そういう柔軟性も考慮したデザインだったんですね。

いしたに:仕切りのカスタマイズ性とかも含めて、みなさんが自分でカバンを自分の色にする、という余地を残したかったんです。

ひらくPCバッグminiについて

いしたに:長年やってきて、通常モデルの「ひらくPCバッグ」にもいくつか問題点がでてきました。まず幅の問題。単純に女性には大きいんです。加えてここ数年でいろんなもののダウンサイジングが進みました。PCだけでなく、カメラも一眼からミラーレスへと。

伊藤:そうですね。

いしたに:全体サイズの小型化と、幅問題を同時にクリアしたいと思いました。最初は横型のまま小さくする、というものも検討しましたが、そのまま縦にしたら意外と“スッ”とはまりました。基本構造は全くおなじです。 それからカバンの幅が狭くなったので、「ひらくPCバッグ」ではじめて取手を付けました。

伊藤:なるほど。

いしたに:取手はカバンを持ち上げるときとかに、ちょっと動かすぐらいの利用にしたかったんですよ。取手が“指が抜けないデザイン”になっているのは、“グッ”とつかむとこういう構造のカバンなんで、ここから型崩れがしてしまうんです。だから取手の存在感を消したかったんです。

伊藤:小さい方でも、ぼくがもっているものもきちんと収まるなと思います。いろいろな説明会やイベント会場で、カバンを開けるスペースがないところでも、気を遣わず使えるこのサイズ感がいいですね。

VAIOと「ひらくPCバッグ」の共通点とは?

いしたに:世の中のカバン設計している人は、最近のPCのことを“あんまりわかってないのかな”と思うことはありますね。いまどきノートPCなんてほとんどSSDだから物理障害がそんなに問題ないはずなのに保護材が妙に分厚いんです。分厚すぎてカバンが大きくなってしまう。もしくはカバンのサイズが変わらないかわりに、収納部分が少なくなってしまいます。

伊藤:確かに。そうですよね。

いしたに:やっぱり、この5〜6年で(PCが)薄くなったんですよね

伊藤:わたしは、デモ用に2台持ちしたりするんです。それでも、こうやって入ってしまうんですよ。それが凄いですよね。あまり2台持ちをする人はいないと思いますが。

いしたに:PCを2台持っていこうとするとけっこう大変ですよね

伊藤:ふつうは、インナーケースに入れて、さらにそれが入るバッグというと2回りくらい大きくなってしまう。

VAIOは、PCを開発する上では4つの“快“にこだわっています。レスポンスのよさ、インプット、アウトプット、あとは質感という軸で“快”を提供するという設計思想です。ひらくPCバッグにおいても、特にレスポンスということに関しては、すぐにアクセスできるという点で本当によく考えられていると思います。

いしたに:たまに他のカバンを調査・テスト目的で使うこともありますが、“あれ?なんでこんなにイライラするんだ?”と思うことがあります。席に着いてから、PCって2〜3分以内で作業が開始できる状態に入っていたいですよね。つまり5分以内くらいにはメールを打ちはじめていたい。

伊藤:そうですね。

いしたに:ところがこれがバッグインバッグでPCを入れていたら、PCを出して、机において、バッグインバッグをしまって…その間にたぶんメール2通ぐらいの差がつきます。

伊藤:やはり共通する設計開発コンセプトとしてはアクセスの良さ、レスポンスの良さというのもありますが、さっきのファスナーなどのお話など、私たちもお客様は気が付かないかもしれないなと思いながら、入れ込んだり、こだわったりするところがあるので、そういう姿勢が私も共感できるところです。

いしたに:私はいつのまにかカバンをつくるようになったのですが、それ以外の仕事は文章を書くようなことが多いです。そういった普段の仕事は自分の考えたことがそのまま仕事の結果になっているんです。 でも、カバンはそういうわけにはいかないです。製品に説明の入った文庫本を付けるわけにはいかないので(笑)。 だから、VAIOのように、ものづくりにかかわっている方にカバンという製品そのものからその思想を酌みとってもらえるというのは、すごく嬉しいですね。

(写真左より)いしたにまさき氏(プロジェクト「SUPER CONSUMER」)と「ひらくPCバッグmini」、伊藤 好文(VAIO株式会社)と「ひらくPCバッグ」。VAIOストアにて数量限定で購入できる